身体がポカポカ温かくなると眠くなりますよね。
春の日差しにまどろんだり。
だけど実際は、人間の身体は体温が下がると眠くなるようにできています。
えー!っていう感じですけど、これは本当。
深部体温といわれる、体の中心部の体温が下がり始めたころに睡眠は始まりやすいのです。
体温は2種類ある!
実は一言に体温といっても2種類あります。
ひとつは皮膚表面の体温である「皮膚体温」。
もうひとつは身体の中心部の体温である「深部体温」です。
睡眠と密接な関わりがあるのは深部体温のほう。
人間は深部体温が下がると眠くなるようにできているのです。
映画やドラマで、雪山で遭難した人が猛烈に眠くなるシーンってありますよね。
あれも深部体温が下がったせいで睡魔に襲われているわけです。
ということでスムーズに深部体温を下げることができれば、安眠を手に入れられます。
そのため寝る直前に長く熱いお湯につかっていると、深部体温が上がってしまい、寝つきが悪くなるので注意しましょう。
効率的に深部体温を下げる方法!
人間の体温は時間によって上下動があります。
通常は朝起きると徐々に体温が上がっていき、12時間後にピークを迎えます。
それから徐々に下がっていき、眠りにつくと急激に体温は下がるという仕組みです。
深部体温をコントロールし、体温をスムーズに下げることで睡眠を手に入れやすくなるのです。
「んじゃあ寒い格好をしてりゃいいんだな!」
「今日からは真冬でも薄着でいるぞ!」
っていうのはすぐに風邪を引いちゃいますからやめましょう。まぁそんな方はいないでしょうが……。
実はスムーズな眠りにつくためには体温はいったん上げることが重要なのです。
一度上げてあげることで、身体は今度は体温を下げようとします。
特に血行を良くすると手足が温かくなると思います。
これは手足を通じて熱を体外に放出しようという身体の体温調節機能です。
この機能を活用するために寝る2時間前くらいを目途にゆっくりとぬるま湯につかることがおススメです。
お風呂から上がった後は身体の表面から熱が放出され、自然と深部体温が下がっていきます。
下記のような研究結果も出ています。
連続した就床前の浴槽浴がその後の夜間睡眠に及ぼす影響を検討した。浴用剤を使用した浴槽浴あり条件 となし条件を設け、就床1 〜2時間前に各条件で連続5日問入浴を実施した。直腸温、皮膚温、心電図、連続活動量、心理評価を指標とした。あり条件の方が入浴後から就床に向けての深部体温降下が明瞭であり、陲眠に伴う心拍数の低下を促進し、起床時の疲労回復感を改善する可能性が示された。浴槽浴により入浴後の深部体温変化のメリハリを高め、快適生活リズムづくりに対する有効な提案が可能になると考えられた。
入浴後にスムーズな体温降下と心拍数の低下が図られ、起床時における疲労回復効果も見られたとのこと。
深部体温をコントロールすることで睡眠の質を高めることが可能なのです。
一方で、不規則な生活、例えば頻繁な遠距離移動、交代勤務、週末の寝だめ、といった行動を続けていると、集中力低下や食欲低下などの精神身体的症状が現れることが分かっています。
入浴も生活サイクルの中に組み込んで、規則的な生体リズムを刻んでいきましょう。
入浴の時間帯には要注意!
ちなみに上記の研究結果は1~2時間前に入浴をしています。
だいたい布団に入る時間から逆算して、これくらい前の時間に入浴しましょう。
直前に入ってしまうと深部体温が下がるまでには時間が掛かりますので、入眠までに時間が掛かりますし、交感神経が優位になってしまい、かえって睡眠の質も低下します。
しかし1時間くらい時間をあければ大丈夫。適度に汗をかいて体温の低下を促してくれます。
湯船に長時間つかり過ぎるのも要注意です。
20分程度にとどめておきましょう。
季節にもよりますが、38℃~40℃くらいを目安に。
もしも、どうしても熱めのお湯に長くつかりたいという人は、2時間くらいは時間をあけたほうが良いと思います。
身体に十分な熱の放出時間を与えてあげて、スムーズに入眠に入れるような工夫をしたいですね。
まとめ
・眠るときは深部体温が下がる!
・深部体温を下げるには、一旦身体を温めることが重要!
・寝る1~2時間前の入浴が睡眠の質を高める!
入浴は睡眠導入にとって大切な行為です。
適切な温度で適切な時間に入浴することで確実に睡眠の満足度が高まります。
翌日も活動的に過ごせますので、積極的に寝る前の睡眠を取り入れてみましょう!
それでは今日もあなたがぐっすりと眠れることを心からお祈りしております。